不動産取引Q&A

住宅ローンが払えない場合の解決方法を
不動産業者が解説

予期せぬ人生の変化や経済的苦境により、当初の返済計画が崩れてしまうケースは少なくありません。しかし、自己破産を選ばなくても様々な解決に向けた選択肢があるので、冷静に判断することが重要です。

一方で、インターネット上には間違った情報や各専門家による偏った解決方法の提示、当事者となった方たちによる体験談など情報がありすぎて、どれが適切な方法なのかを理解することは非常に困難です。

本記事ではお客様のご状況に合った住宅ローンの返済問題を得意とする不動産業者のホームスタッフが、住宅ローンが払えなくなった際の様々な解決策を詳しく解説します。金融機関との交渉・仲介業者への売却・不動産買取業者への売却・任意売却・個人売買まで、幅広い選択肢をご紹介いたします。

住宅ローンが払えない人が急増しています

住宅ローンが払えない人が抱えているお悩みの特徴

住宅ローンの返済に困難を感じている方々は、予期せぬ人生の変化や経済的な苦境に直面していることがほとんどです。離婚・収入の減少・病気・失業など、様々な要因が重なり、当初の返済計画が崩れてしまうケースが少なくありません。

また、ローンの残債が物件価値を上回る状況や、他の債務との重複など、複雑な問題を抱えている方も多くいらっしゃいます。具体的には以下のようなお悩みをお抱えの方が多いです。

  • 離婚が決まり、ペアローンで組んでいた住宅ローンが払えない
  • 返済が苦しいので家を売りたいが、居住中のタワーマンションの残債が売却価格よりも上回るため、売りたくても売れない
  • 給与が下がり、住宅ローンを組んだ時の返済計画が変わってしまった
  • 離婚することになり、養育費が重く住宅ローンを払える余裕がない
  • 新築マンション購入時に契約した住宅ローンに加え、カードローンを重ねてしまい返済が苦しい
  • すでに住宅ローンの返済に延滞が発生していて、差し押さえの可能性がある
  • 病気が判明し、働けなくなってしまい返済が無理な状況になっている
  • コロナ前に得られていた収入が戻る見込みがなく、将来を悲観する状況にある
  • 家のローンを含めて借金が多すぎるため、破産申し立てを考えている
  • 昨年新築物件を購入したばかりなのに、勤務先が倒産してしまった。再就職できても予定していた収入より上回る可能性が低い
  • 離婚が決まり住宅ローンの返済が困難になり、連帯保証人も支払い能力がない
  • 当初想定していたマンション管理費や修繕積立金の大幅な値上げが決まり、住宅ローンと合算して払える見込みがない

住宅ローンが払えなくなったら、どうなる?

慌てないでください。他人の体験談は参考になりません

ブログやSNSなどで無理な住宅ローンを組んだ方の末路を読んでしまうなど、不安な気持ちを抱えている方も多いでしょう。解決方法を探すために、体験談や関連記事を読み漁るお気持ちもわかります。

しかし、もっとも重要なことは「ご自身に合った解決方法を選ぶ」ことです。つまり、他人の成功体験はご自身には当てはまらない場合も多く、その判断は公平な立場でアドバイスを提供する専門家ではない限り、難しいです。

自己破産しなければならない?

住宅ローンの返済が難しくなった場合、多くの方が「自己破産」という言葉に不安を感じるかもしれません。しかし、自己破産は最終的な手段であり、他にも解決策が存在します。まずは、自己破産を避けるための選択肢を理解し、どのようなサポートが受けられるかを知ることが重要です。

住宅ローンが払えない時の解決法について

住宅ローンの返済に困難を感じている方々にとって、一刻も早く解決策を見つけたいと思われていることでしょう。しかし、その道筋は一つではありません。様々な選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。

また、Webには間違った情報や専門業者による偏った考え方が満映し、住宅ローンや不動産に関する知識が十分ではない方にとっては適切な判断をすることが困難な状況にあります。

ここでは、主な解決方法とその選択における注意点をご紹介しますので、ぜひご参考ください。

住宅ローンが払えない時の代表的な解決方法

  1. 金融機関との交渉
  2. 仲介業者を通じた売却
  3. 不動産買取業者への直接売却
  4. 任意売却
  5. 知人との個人売買

これらの方法は、一般の方々が適切に判断するのは難しいです。例えば、「任意売却」に特化したサービスを提供する業者に相談すれば、必ずしも最適ではない場合でも任意売却を勧められる可能性があるため、注意が必要です。

特に任意売却は、金融機関が閲覧できる個人信用情報に記録されるため、将来の人生設計に影響を与える可能性があります。本当に必要な場合のみ検討すべき選択肢です。

最適な解決策を見つけるためには、以下の点を考慮する必要があります。

  • 現在の財政状況
  • 現在および将来の収入見込み
  • 物件を手放す・手放さないの選択に関するご希望
  • 家族構成
  • 長期的なライフプラン
  • 個人がお抱えのお悩みに対するご希望

これらの要素を総合的に考慮し、自分に最も適した解決方法を選ぶことが重要です。

しかし、こうした判断を一人で行うのは困難です。そこで、仲介売却、不動産買取、任意売却、個人売買など、幅広い選択肢をサポートできる実績豊富な不動産業者に相談することをお勧めします。

専門家のアドバイスを受けることで、より良い判断ができ、将来の生活設計にも配慮した解決策を見つけることができるでしょう。適切な対応策を講じることで、新たな人生の一歩を踏み出すチャンスにもなります。一人で悩まず、ぜひご相談ください。

金融機関との交渉が適しているケース

最初に考えたいのは、住宅ローンを提供している金融機関との交渉です。返済が困難になった場合、金融機関と相談することも解決策のひとつです。金融機関は借主がデフォルトを起こすよりも、返済条件を変更してでも返済を継続してもらう方が良いと考えることが一般的です。

そのため、リスケジュールによる返済プランの変更や返済額減額、元金据置による一時的な返済停止措置など、さまざまな提案してくれます。

リスケジュールとは

「リスケジュール」とは、返済期間の延長や一時的な返済額の減額など、返済条件の見直しを意味します。これにより、毎月の返済負担を軽減し、生活を安定させることが可能です。

元金据置とは

一定期間、元金の返済を停止し、利息のみを支払う「元金据置」という選択肢もあります。この方法により、短期間のうちに経済状況を立て直す時間が得られます。

ただし、これらの措置は金融機関の理解なしに実現できません。たとえば、すでに返済が滞っている場合は実現のハードルは非常に高くなります。

住宅ローンの返済が苦しい場面で金融機関との交渉が成立できる見込みがあるケース

  • 一時的な収入減少により、今月の住宅ローン返済が困難になった
  • 病気や怪我により一定期間の就労が難しく、返済に支障が出る
  • 失業したが、再就職の見込みがある
  • 突発的な出費(例:家族の医療費)により、一時的に返済が厳しい状況
  • 事業主の取引先の倒産など予期せぬ事態で一時的な資金繰りが悪化した
  • 転職に伴い、収入の支払いサイクルが変わり、一時的に返済が困難になった
  • 災害などの不可抗力により、一時的に返済が困難になった

仲介業者を通じた売却が適しているケース

仲介業者を通じた売却は住宅ローンの返済に困難を感じている方々にとって、最も高い売却額を期待できる選択肢の一つです。特に立地条件が良く、物件の状態が良好に保たれている場合、市場価値を最大限に活かした売却が可能となります。

この方法の主なメリットは以下の通りです。

  1. 最高値での売却が期待できる
  2. 物件の状態が良ければ、比較的スムーズな売却が可能

しかし、いくつかの注意点もあります。

  1. 成約までに通常2ヶ月以上かかる
  2. 仲介業者へ支払う仲介手数料が発生する
  3. 買い手の意思決定に依存するため、待機時間が長くなる可能性がある
  4. 価格設定が高すぎると、買い手が他の物件を選択し、売却が遅れる可能性がある

このため、仲介業者を通じた売却は「2年後には住宅ローンの返済が難しくなりそう」というように、ある程度の時間的余裕がある方に適した解決方法といえます。

一方で、差し押さえのリスクが迫っているなど、緊急性の高い状況では適していません。そのような場合は、より迅速な解決方法を検討する必要があります。

仲介業者を通じた売却を検討する際は、適切な価格設定と、売却にかかる時間を考慮に入れることが重要です。専門家のアドバイスを受けながら、自身の状況に最適な選択をすることをおすすめします。

不動産買取業者への直接売却が適しているケース

不動産買取業者への直接売却は、住宅ローンの返済に迫られている方々にとって、迅速な解決策となり得る選択肢です。この方法の特徴と適している状況について詳しく見ていきましょう。

不動産買取業者への直接売却で得られるメリット

  • 売却スピードが極めて速い(最短で1週間程度での成約も可能)
  • 内覧不要で、条件さえ合えば即座に売却可能
  • 仲介手数料がかからない

不動産買取業者への直接売却に関する注意点

  • 一般的に、仲介売却と比べて売却額が低くなる傾向がある
  • 住宅ローンの残債が少ない方に特に適している

不動産買取業者への直接売却は、開発業者が物件を直接購入するため、通常の売買よりもプロセスが簡略化されています。内覧の必要がなく、条件が合えば迅速に取引が進むため、急を要する状況に適しています。

ただし、売却額は一般的に仲介売却よりも低くなる傾向があります。そのため、この方法は特に住宅ローンの残債が比較的少ない方に適しています。しかし、物件や状況によっては、仲介売却に近い価格で成約できる可能性もあるため、一度査定を受けてみる価値はあります。

当社(ホームスタッフ)では、自社での買取に加え、全国の買取業者とも提携しています。そのため、当社で直接買取できない物件でも、最適な買取業者を見つけ、価格交渉まで一括で代行することが可能です。これにより、より有利な条件での売却チャンスが広がります。

不動産買取業者への直接売却は、迅速な解決が必要な場合や、複雑な手続きを避けたい場合に特に有効な選択肢となります。ただし、最終的な判断の前に、他の選択肢との比較検討を行い、自身の状況に最も適した方法を選ぶことが重要です。専門家のアドバイスを受けながら、慎重に検討することをおすすめします。

任意売却が適しているケース

任意売却とは、債務者自身が不動産を売却し、その売却代金を住宅ローンの返済に充てる方法です。競売とは異なり、自主的に行うため、より良い条件での売却が可能になることが多く、債務者にとってもメリットが大きい解決策となり得ます。

ただし、任意売却が最適な選択肢となるのは、特定の状況下に限られます。金融機関からの督促が始まっている、複数の債務で財政が圧迫されている、競売手続きが始まっている、または破産を検討しているなど、深刻な財政難に直面している場合に特に効果を発揮します。

次からは任意売却が適している具体的なケースを詳しく解説し、それぞれの状況でどのように対応すべきかをご説明します。

金融機関からの催告書や督促状が届いている

住宅ローンの支払いが遅れ、金融機関から督促状や警告文書が届き始めたら、早急な対応が必要です。この段階で適切な行動を取らないと、競売という厳しい結果に直面する可能性が高まります。当社の場合、早めにご相談いただければ、任意売却での解決に向けたご提案が可能です。迷う時間も命取りです。早めの行動をおすすめいたします。

複数の債務による財政圧迫が生じている

住宅ローンに加え、事業資金や家族の教育・医療費などで追加の借入がある場合、返済の負担は倍増します。収入が安定している間は何とか対応できても、わずかな変化で返済に追われる生活に陥りかねません。財政的なプレッシャーを感じ始めたら、任意売却を含めた再建プランの検討が賢明です。

債権者による競売手続きが始まっている

債権者が所有不動産に対して競売を申し立てた場合、即座に行動を起こす必要があります。この段階でも任意売却に切り替えることで、より有利な条件での売却を目指すことができます。

破産を検討している

債務が膨らみ、自己破産を考えている方にも、任意売却は有効な選択肢となり得ます。破産申請後でさえ、任意売却への移行は可能です。自己破産を回避できるケースも多いため、破産を決断する前に任意売却の可能性を探ることをお勧めします。

いずれの状況でも、早期の決断と行動が良好な結果につながります。金融面で不安を感じたら、専門家に相談し、任意売却を含めた様々な選択肢を検討することが重要です。適切な対策を講じることで、財政的な困難を乗り越え、新たな出発を切ることができるでしょう。ぜひお早めにご相談ください。

知人との個人売買が適しているケース

住宅ローンの返済に困難を感じている方にとって、知人との個人売買は一つの解決策となり得ます。この方法は、特に自身の悩みを相談した相手が物件購入の意思を示した場合に検討価値があります。しかし、この選択肢にも独自の特徴と注意点があります。

知人との個人売買を選ぶメリット

  1. 信頼関係のある相手との取引
  2. 仲介業者を介さない直接取引の可能性

知人との個人売買を選ぶ注意点

  1. 法的手続きと現状調査が必要で、約3ヶ月の時間を要する
  2. 銀行の住宅ローン提供が難しい場合がある
  3. 仲介手数料相当の費用が発生する可能性がある

知人との個人売買は、やや時間に余裕がある方に適した方法です。信頼関係のある相手との取引であっても、物件の現状調査や法的手続きは必要不可欠です。これらの手続きにより、売却完了までに3ヶ月程度かかることを念頭に置く必要があります。

また、知人間売買の場合、銀行が通常の住宅ローンを提供しないケースが多いため、購入者側の資金調達が課題となります。一括払いが可能な場合は問題ありませんが、そうでない場合は理解のある金融機関を見つける必要があります。

さらに、多くの場合、仲介業者に対して一般的な仲介手数料と同等の費用が発生します。これは売却時の金銭的負担となるため、事前に考慮しておくべき点です。

なお、当社では個人売買向けに特化したサービスを提供しています。仲介手数料を大幅に抑えた住宅ローン審査サポートを行い、銀行探しから契約まで手厚くサポートいたします。これにより、知人との個人売買をより円滑に進めることが可能です。

知人との個人売買は、信頼関係を基盤とした取引ができる一方で、独自の課題も存在します。この選択肢を検討する際は、時間的余裕、資金調達の方法、発生する費用などを総合的に考慮し、専門家のアドバイスを受けながら慎重に判断することをおすすめします。

ケース別・住宅ローンの返済解決方法

離婚がきっかけで住宅ローンが払えなくなるケース

離婚は、多くの場合、経済的にも精神的にも大きな負担を伴います。特に住宅ローンを抱えている場合、その返済が困難になるケースが少なくありません。以下、離婚に伴う住宅ローンの問題と、その解決策について詳しく見ていきましょう。

ペアローンを組んでいる場合の問題

夫婦でペアローンを組んでいる場合、離婚後の返済責任が大きな問題となります。一方が支払いを拒否すると、残された側の負担が倍増することがあります。

養育費と住宅ローンの両立に関する問題

子供の親権を得た側が住宅に残る場合、養育費と住宅ローンの支払いの両立が困難になることがあります。特に収入が減少した場合、この問題は深刻化します。

オーバーローン状態での離婚に関する問題

住宅の価値が住宅ローンの残債を下回るオーバーローン状態での離婚は、財産分与や債務の処理が複雑になります。

離婚に関連した住宅ローンの返済に対する解決策の例

住宅ローンの条件変更

金融機関と交渉し、返済期間の延長や一時的な支払い猶予などの条件変更を求めることも一案です。

任意売却の検討

住宅を売却し、ローンを清算する方法も考えられます。オーバーローン状態でも、任意売却なら競売よりも有利な条件で売却できる可能性があります。

専門家による法的アドバイスを受ける

離婚と住宅ローンに関する問題は複雑なため、弁護士や専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。ホームスタッフでは顧問弁護士による、アドバイスも差し上げることができます。詳しくはご相談ください。

よくある質問

住宅ローンが払えなくなった人が開設しているブログで、差し押さえが来ているのに物件を取られずに済んだことが書いてありました。これはどのような方法で解決したのですか?

Yahoo!知恵袋で住宅ローンが払えなくなった人の体験談を見ながら、解決方法を探っていますが何が自分に適切なのかわかりません。この場合の相談先はどこに行けばいいのでしょうか。銀行に行くのと不動産業者に行くのではどちらが良いですか。

住宅ローンに加えて、カードローンの返済も滞っています。生活がカツカツですべての返済が苦しく、どうすれば良いのかわかりません。何から手をつければいですか。

まとめ

住宅ローンの返済問題に直面している方々の疑問や不安は多岐にわたります。インターネット上の情報や他人の体験談は参考になることもありますが、各々の状況は異なるため、慎重に判断する必要があります。

差し押さえを回避する方法、複数の債務がある場合の対処法、適切な相談先の選び方など、多くの方が共通して抱える疑問に対し、専門的な知識と経験に基づいた回答が求められます。

重要なのは、自分の状況を客観的に把握し、適切な専門家に相談することです。銀行、不動産業者、法律の専門家など、状況に応じて最適な相談先を選ぶことが問題解決の第一歩となります。

また、住宅ローン以外の債務も含めた総合的な財務状況の見直しが必要な場合もあります。優先順位を付けて対処していくことが、長期的な解決につながります。

住宅ローンの問題は複雑で個別性が高いため、一般的な情報を参考にしつつも、最終的には専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。ご自身にあった最適な解決策を見出し、住宅ローンの不安から開放されるはずです。

私たちホームスタッフでは、お客様のご状況はもちろん、将来的なご希望を踏まえた解決策をご提供しています。ひとりでお抱えなら、まずは無料相談をご利用ください。不動産業界歴20年を超え、住宅ローンの問題を得意とする当社だから差し上げられるアドバイスをご提案いたします。

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